令和元年7月1日をもって緑風会病院 院長に着任いたしました。
【抱負】救急医療は地域のニーズに応え、求められるサービスを的確に提供しなければなりません。平野区は大阪市内の南東にあり、人口の密集した住宅街ですが、区内には高度専門医療機関(大病院)はありません。住民のみなさまには、専門性にかかわらず軽症からやや重症の患者様に対応すること、近隣の医療機関からのご紹介をスムーズに受けることが期待されていると思います。高齢者の増加に伴い、生活習慣病の悪化、呼吸器や尿路感染症、脳血管障害とその後遺症、転倒などによる骨折も多くなっており、これらを治療することで健康を取り戻していただきたいと思います。
当院では、CTやMRIなどの画像を放射線専門医が読影し、的確な診断をすばやく提供します。また早期社会復帰をめざして、リハビリテーションを充実させています。病院にはさまざまな医療関連職種の専門職員が働いていますが、こじんまりした病院の強みを活かし、職種を超えて職員が力を合わせ、よりよい医療を提供できるようしていきます。みなさまに信頼され選ばれる医療機関になれるように職員一丸となって努力してまいります。
地域住民のみなさま、また近隣の医療機関さまにはあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
【経歴】私は1980年に大阪大学医学部を卒業し、当時の大阪大学医学部附属病院特殊救急部(現高度救命救急センター)に入局し救急医としての第一歩を踏み出しました。その後、救急医として研鑽を積む傍ら、外科と脳神経外科の研修を受けたのち、再び大阪大学の特殊救急部で杉本侃教授のもと重症救急医療の臨床に明け暮れました。大阪大学から医学博士の学位を取得後、1990年から米国ミズーリ州セントルイスのワシントン大学バーンズ病院に研究者として留学の機会をいただきました。2年後に帰国し、大阪府立病院を経て、1996年に香川医科大学(現香川大学医学部)の救急部助教授として、小栗教授の麻酔科、救急部、集中治療部(ICU)3部門を一体で運営する教室の一員となり、貴重な経験を積みました。小栗教授の退官を機に、2000年熊本大学医学部救急医学初代教授となり、救急部長と集中治療部長を務めました。救急体制整備が遅れていた当時の熊本県の救急医療システムの指導責任者として、行政の方がたと連携し、救急医療体制の充実とドクターヘリの導入にも成功しました。15年間の長きにわたった熊本大学の勤務を辞し、2015年より国立病院機構大阪医療センター部長を経て、2019年7月より現職に就任しました。
緑風会病院 院長
木下 順弘( きのした よしひろ )